厚生労働科学研究費補助金(H14-特別-004)

わが国臨床研究の基盤整備に関する研究

主任研究者:岡本悦司
(国立保健医療科学院技術評価部研究動向分析室長)

本サイトは上記研究の一環として実施される「わが国臨床研究実態調査」の情報公開ならびに調査対象機関の便宜をはかるとともに,調査票の送付対象からもれた機関に報告を促す目的で設置されました。また,調査結果を元に作製される「わが国臨床研究データベース(平成15年5月稼働予定)」のサイトに移行する予定です。

わが国臨床研究実態調査
(平成15年2月実施)

研究動向分析室よりありがとうございました

調査御協力ありがとうございます。年度末の多忙な時期にもかかわらず3月21日時点で325の機関より回答をいただき,うち211の調査票で少なくとも一つの臨床研究が実施されていることが判明しました。
ただ,相当数の調査票において「公表の可否」に関する【問1】が無回答になっていたため,いくつかの機関にはFAX等で問合わせさせていただいております。どうかよろしく御協力いただければ幸です。
 さて,調査の過程で電話やメール,また調査票に添付するかたちでいろいろな質問やおしかりもいただきました。その都度,電話やメールでせいいっぱい回答させていただきましたが,多忙な業務と平行しての対応でもあり,舌足らずになってしまったことも多々あったかと存じ,ここでまとめさせていただきます。
●【重要】企業委託の薬事法に基づく臨床試験は,企業との契約で守秘義務が課せられているものがある。
 その通りであり「インターネット,報告書にテーマの公表可」と回答してくださった機関についても研究の形態が「薬事法に基づく臨床試験」となっているものについては報告書,インターネットいずれもに掲載しないこととさせていただきます。ただ数だけの集計とさせていただきます。御安心ください。

●多施設共同研究の場合,一施設の判断だけで研究内容を公表することはいかがなものでしょうか
 本調査は国の費用で国の機関が実施しておりますが,決して統計法に定める指定統計のように強制力を伴う調査ではありません。ですから公表に関しましても各施設の判断により「可能な範囲内で」お願い申し上げております。回答いただいた調査票をざっとみたところ公表に全面的に同意するものもそうでないものも,また空白回答も多数見受けられました。明確に公表に同意しなかったものはもちろん空白回答であったものも,集計の対象には加えますが報告書,インターネットへの掲載はむろん控えさせていただくようにします。
 多施設共同研究につき私見を述べさせていただきますと,まず共同契約は法的には一種の契約と考えられ,契約とは当事者が「対等」の立場で結ぶものです。今後,多施設共同研究の契約書には公表についても明確に規定することが望ましいといえ,その場合,当然参加施設はその契約に従うべきです。しかしもし契約書に公表についての規定が無い場合は,基本的には各施設に公表の可否の判断はゆだねられるといえます。なぜなら「共同」研究において参加機関は上下の関係にはないからです。むろん公表する前に参加施設間で改めて協議することは望ましいですし,それは契約以前のエチケットと考えるべきでしょう。今回の調査の過程でも「多施設共同研究なのだが本院だけの判断で公表していいのか」という問合わせを多数いただきました。今回の調査はあくまで任意ですから「不安に思われるのでしたら非公表で結構です」と伝えておきました。ただ,現在検討されています臨床研究指針では以下のように公表することが努力規定とされています。
【参考】臨床研究に関する倫理指針(案)
第2 実施研究者等の責務等
4 臨床研究機関の長の責務等
(5) 臨床研究計画等の公開
 臨床研究機関の長は、必要に応じ、許可された臨床研究計画又は研究成果を公開するよう努めるものとする。
●企業との共同研究の場合,企業は将来的計画上公表に消極的なこともあるのではないでしょうか
まったくその通りであり,企業で公表に積極的なところはまず考えられません。その点について臨床研究指針は企業の利益と情報公開との優先については明確に後者を優先する趣旨をとっております。しかし上に掲示しましたようにそれは強制ではなくあくまで実施機関の判断にゆだねます。本調査が来年以降も継続できるかは未定ですが,少なくとも本調査が将来的にあらゆる臨床研究の公表を強制することを意図しているものではありません。米国では政府が患者のための臨床試験の状況を検索できるウェブサイトまで運営しています(clinicaltrials.gov)。主任研究者の小生としましてはこうした情報提供サイトを理想に描き,最善を尽くす所存ですが,残念ながら今回の調査結果だけでは理想には及ばないものにならざるを得ないことは認めざるをえず関係者の御寛容をお願いする次第です。
 今回の調査では上の【重要】のようにとりあつかいさせていただきます。
●本サイトより調査票のExcelファイルsurveyform.xlsがダウンロードできない!
多数の方からExcelファイルで回答いただき,集計作業が大幅にスムーズになり,感謝しています。ところが何件か,ダウンロードできないというメールを頂戴しました。原因不明でこのようなことがあるようです。その場合は遠慮なくメールでお知らせくだされば添付ファイルで送らせていただきます。
●返送締め切り2月末とあまりに急!
ひたすらお詫びさせていただく他ありません。「こんな短期間に回答しろといわれても無理」という苦情の電話やメールも多数いただきその都度平身低頭の謝りの連続でした。事情を説明させていただきますと(弁解にすぎませんが),昨年4月に国立保健医療科学院が発足し,技術評価部そして小生が主宰する研究動向分析室も全く新しい組織として発足しました。その後に,臨床研究一般に関する指針作りの必要性が浮上し,夏位から審議会の審議が本格化しました。その過程で,こうした一般的な臨床研究の実態はどうなっているか,という本調査の実施が立案されたわけです。秋くらいに最終的に本調査に近い具体案をまとめたのですが,倫理審査委員会の構成等もっと基本的なところから調査しては,という意見もだされ二転三転し,何とか昨年中の調査票送付を目指したものの,回答者にあまり負担をかけない,という趣旨で当初予定されていたたとえば対象者の数等,倫理審査委員会事務局で把握できない調査項目を大きく削減して最終的な調査票になったわけです。
 以上説明しましても弁解にしかなりませんが,なにとぞ御理解いただきたく,もし来年以降も本調査が継続されるなら変わらぬ御協力をたまわわれれば幸です。
●薬事法に基づく治験や市販後調査は多数にのぼるがそれらも記入すべきか?
調査票ではその区別が明確でなく,また研究形態に「薬事法に基づく臨床試験」を加えたため混乱を招いたようでお詫び申し上げます。
これら国に報告・届出された薬事法に基づく治験・市販後調査は含めてくださらなくて結構です。調査票にこのように記入しましたのは,医療機関によっては薬事法に基づくものとその他研究を区別していないところも予想し,区別の手間を考えれば一括して記入してもらった方がよいかと判断したためです。
また数が膨大で記入が大変,という問合わせもいただきましたが,もし倫理審査委員会等で承認研究テーマのリスト等ございましたらコピーを返信用封筒に同封していただくだけでも結構です。ただし公表の可否等の意思を調査票にも記載して合わせて返送していただければと存じます。またテーマだけでは対象疾患のわかりにくいもの,麻酔のように疾患が特定されないものはその旨,簡単に付記してくださると助かりますし,わからない場合は「不明」でも結構です。
 年度末の多忙の中,御負担おかけすることを返す返すお詫び申し上げます。皆様の御回答をわが国の今後EBM推進に役だてるよう集計分析にも全力をつくす所存です。さらに集計分析の過程で,当方より問合わせさせていただくこともあろうかと思いますので何とぞよろしくお願い申し上げます。

【本調査の目的】目下「臨床研究の基本指針」の作成が厚生科学審議会において進められており,その基礎資料とするとともに,わが国臨床研究の動向を国内外に情報提供することを目的に,主要臨床研究機関を対象に各種倫理委員会において承認された臨床研究のテーマ,対象疾患,研究の形態等を調査しています。
わが国では医療機関,大学等において活発な臨床研究が実施されていますが,薬事法にもとづく臨床試験等を除いてその実態は統一的には把握されておらず,インターネット上での情報提供も全ての機関にまで普及していないのが実情です。
またEBM(根拠に基づく医療)実践のためには学術雑誌に掲載された研究内容を検索するだけでは公表バイアス(有効な結果は発表されるが無効な結果は公表されない)は避けられず,あらゆる臨床研究を偏りなく把握するためには研究開始時点で着手された研究の内容をディレクトリ(目録)化することが必要とされています。本調査はわが国における臨床研究の実態を統一的に把握する目録づくりとしては初のもので,その内容はインターネット上でも公表し,世界のEBM研究者らの利用に供することを目的とします。関係各位におかれましては本調査の意義と重要性を御理解いただき,どうか御理解と協力をたまわりますようお願い申し上げます。
【実施主体】本調査は平成14年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業「わが国における臨床研究の基盤整備に関する研究(H14-特別-004)」として国立保健医療科学院技術評価部研究動向分析室が実施しています。国立保健医療科学院は保健医療福祉に関する教育研究を目的とする厚生労働省の機関であり,技術評価部研究動向分析室は「保健医療福祉に関する政策及び研究動向の分析及びこれらに関する調査研究」を所掌しています。
【調査内容】各機関において各種倫理委員会が承認を与えた研究(あるいはたとえ倫理委員会を通さなくても貴機関において実施された人を対象にした研究であれば形態を問いません)のテーマ,担当者,研究の形態等。本調査はわが国で行なわれた臨床研究をできるかぎり把握することを目的としています。承認したものであれば未開始,継続中,未完成の研究であってもよく,また論文等で公表されていなくてもかまいません。少なくとも2001年以降に承認された研究について回答お願い申し上げますが,それ以前のものも可能ならば回答下されば幸です。
臨床研究実施機関の関係者にお願い
臨床研究を実施していると考えられるわが国の大学,医療機関,研究機関に2月中旬に調査票を郵送します。しかし,臨床研究の実施機関は多数にのぼり遺漏も相当あろうかと存じます。もし調査票が届かなかった場合にはお許しいただくとともに,お手数ですが,下記の調査票[Excelファイル]に記入し主任研究者:岡本悦司atoz@niph.go.jpまで御送付お願い申し上げます。あるいは倫理審査委員会の庶務の担当者に本サイトをお知らせくださるようお願い申し上げます。
調査票[Excelファイル]